2009年4月19日(日)
パリから電車とバスを使って約1時間、パリ郊外のフォンテーヌブロー (イル・ド・フランス地域圏)にあるフォンテーヌブロー宮殿へ行きます。
12世紀から19世紀の歴代フランス君主が愛したフォンテーヌブロー宮殿。
ルネサンス (イタリアの芸術、文化) がフランスに渡ってきたときの舞台でもあると言われています。
そんなフォンテーヌブロー宮殿への行き方、見どころをお伝えしていきます。
目次
Château de Fontainebleau (フォンテーヌブロー宮殿)
狩猟場だった森の中に王族の滞在のために建てられ、フランスの歴代の君主(34人の王、2人の皇帝)が7世紀以上に渡って住み続けた宮殿。
フランスで12世紀(中世)から19世紀まで800年の歴史を持つ王家の宮殿はフォンテーヌブローだけです。
美しく、大きな歴史的価値を持つヴェルサイユは17世紀から18世紀の歴史しかないのです。
美しいフォンテーヌブロー宮殿を空撮 絵葉書より
建物はフランソワ1世からルイ16世までの7代の王が、それぞれの時代の建築様式で増改築してきました。
フォンテーヌブロー宮殿を訪れると、12世紀から18世紀末までの建築様式や芸術を見ることが出来ます。
なかでもフランソワ1世の時代に華やかなルネッサンス様式の宮殿へと姿を変えました。
1981年にユネスコの世界遺産に登録されました。
フォンテーヌブロー宮殿の営業時間、入場料などの基本情報 [2019年]
住所:Château de Fontainebleau 77300 Fontainebleau
営業時間:
宮殿 1月1日、5月1日、12月25日の火曜日を除く毎日
10月~3月まで:9h30~17h00 (最終入館時間は16h15)
4月~9月まで:9h30~18h00 (最終入館時間は17h15)
庭園 年中無休
11月~2月:9h00~17h00
3月、4月、10月:9h00~18h00
5月~9月:9h00~19h00
※Dianeの庭園と英国庭園はそれぞれ示された時間の1時間前と2時間前に閉まります。
悪天候の場合は、庭園を閉鎖することがあります。
入場料:12ユーロ
大アパルトマン (Grand Apartments) とナポレオン1世の美術館 (Napoleon 1st Museum) が見れます。
毎月第1日曜日(7月と8月を除く)は無料。
ミュージアムパス (PARIS MUSEUM PASS)の利用が可能。
ミュージアムパス (PARIS MUSEUM PASS) は有効期間中、無制限に使えるフリーパス券のこと。
利用施設、料金、購入方法についてはミューミュージアムパス (PARIS MUSEUM PASS) ジアムパス (PARIS MUSEUM PASS) 日本語WEBサイト で確認をしてください。
オーディオガイド:3ユーロ
日本語版があり、チケット売り場で借りれます。
歴史的背景を聞きながら見て回るとより理解が深まります。
ガイドツアー:大人 15~17ユーロ
シーズンや年によって内容は異なるので、利用する場合はフォンテーヌブロー宮殿のWEBサイトで確認をしてください。
Château de Fontainebleau (フォンテーヌブロー宮殿) WEBサイト
フォンテーヌブロー宮殿の見どころがわかる1分40秒の動画です。
挿入曲の音量が大きいのでびっくりしないでくださいね。
フォンテーヌブロー宮殿公式Youtube
パリからフォンテーヌブロー宮殿への行き方と料金 [2019年]
パリからフォンテーヌブロー宮殿へは電車とバスを使って行きます。
Paris Gare de Lyon (パリ リヨン駅)
↓ Transilien-R またはTER (電車) 約40分
Fontainebleau-Avon (フォンテーヌブロー-アヴォン)駅
↓
Fontainebleau-Avon (フォンテーヌブロー-アヴォン)
↓ BUS1 (バス1番) 約10分
Château (シャトー)
↓
Château de Fontainebleau (フォンテーヌブロー宮殿)
パリ リヨン駅からフォンテーヌブロー-アヴォン駅までの電車
Paris Gare de Lyon (パリ リヨン駅) から電車に乗り、Fontainebleau-Avon (フォンテーヌブロー-アヴォン) 駅で降ります。
Fontainebleau-Avon駅に停まる電車は次の3つです。
行き先 | 路線 |
Montargis (モンタルジ) | Transilien (トランシリアン)-R線 ※1 |
Montereau (モントロー) | Transilien (トランシリアン)-R線 ※1 |
Laroche-Migennes (ラロッシュ・ミジェンヌ) | TER ※2 |
※1 Transilien(トランシリアン)-R線
パリとその周辺の8つの県を合わせたIle-de-France (イル・ド・フランス) という地域を走る高速郊外鉄道
※2 TER(テー ウー エール)
SNCF(フランス国鉄)の快速列車
フォンテーヌブロー-アヴォン駅からシャトーまでのバス
Fontainebleau-Avon (フォンテーヌブロー-アヴォン) 駅からは路線バスに乗り、Château (シャトー)で降ります。
行き先 | 路線 |
Les Lilas (レ リラ) | 1番 |
7h00~13h00、15h00~19h00は1時間に4本、13h00~15h00は1時間に3本 (2019年3月 現在)
バス1番の路線図
電車とバスの料金
電車
パリ リヨン駅からフォンテーヌブロー-アヴォン駅までは片道8.85ユーロ (2019年3月 現在)
電車の時刻や料金を調べる時はこちら SNCF TRANSILIEN
バス
フォンテーヌブロー-アヴォン 駅からシャトーまでは片道2ユーロ (2019年3月 現在)
フォンテーヌブローはパリとその近郊の交通機関でのエリア分けで『 Zones (ゾーン) 5 』になり、『 Mobilis (モビリス) 』という一日乗り放題の乗車券が利用できます。
この乗車券でパリ市内からフォンテーヌブロー宮殿まで行って帰ってこられるのでおススメです。
モビリスの ZONE 1-5 の料金は17.8ユーロ。
おススメな点は
- 利用する日の0時~24時まで乗り放題
- パリ市内の地下鉄やバスも利用できる
- 電車やバスに乗るたびに乗車券を買う必要がない
1つ注意点があり、乗車券に利用する日と氏名を記入する必要があります。
フォンテーヌブロー宮殿へ向かう通りには、観光客を乗せた馬車が走っています。
Googleマップにルートを載せてみました。
2009/4/Château de Fontainebleau の左側にある矢印→付アイコンをクリックするとマークが付いている場所名とルートが分かります。
フランスの君主たちがこよなく愛したフォンテーヌブローを物語る建物と庭園
フォンテーヌブロー宮殿と広大な庭園の大きさは下の地図を見てください。
宮殿はどのあたりかと言うと、「栄誉の鉄格子門(赤字)」から上部にある黒い部分です。
庭園の中に宮殿があるという感じですね。
栄誉の鉄格子門から宮殿の敷地内へ入ります。
この鉄格子門がある場所は、元々はフェラール翼と呼ばれた建物がありました。
1808年にナポレオン1世によって取り壊され、この大きな門が設けられました。
門にはナポレオンの頭文字『 N 』が装飾されています。
栄誉の鉄格子門から入ったところは白馬の中庭。
その先に見える馬蹄形の階段で、1814年にナポレオンが「Aadieux (アデュ 永遠にさようなら) !」と言って宮殿を去ったことから、告別の中庭とも呼ばれています。
ルイ13世の時代に建設され、その後、ルイ14世の結婚の際に輿入れして来る王女の出迎えに使用されました。
歴史を感じます。
フォンテーヌブロー宮殿のそばにある鯉の池。
ルイ14世がルイ・ル・ヴォー (ヴェルサイユ宮殿の設計を手掛けた建築家) に命じて造らせた東屋が見えます。
黄金の門
フランソワ1世が楕円形の中庭の周囲に残っていた中世の基礎の上にイタリア建築を取り入れて建設させました。
楕円形の中庭。
宮殿で最も古い場所です。
アンリ4世はルイ13世の洗礼を記念して洗礼堂の門を設けました。
左側の建物は王の住居棟です。
洗礼堂の門
庭園の方に行ってみます。
大花壇。
広すぎて写真に納まりません (笑)
大花壇の周りを観光用の馬車が走ります。
まっすぐ伸びるのは1kmを超える運河、道を挟んでその手前にあるのは懸河(けんが)の池。
運河には白鳥の姿も見えます。
天気の良い日は運河沿いを歩くのも気持ちが良いです。
運河を設けたアンリ4世は、ここを馬で散歩したり、駆け抜けたりしたのかしら。
そろそろ宮殿内を見学しに行きたいと思います。
黄金の門辺りまで戻ると、男性が仮装して行進しています。
「えっ?えっ?えっ!」何、この仮装した人たちは!
ちょっと気になるので付いて行ってみます。
行き先は『馬蹄形の階段』下でした。
階段上のバルコニーからナポレオン登場。
扮装した方が馬蹄形の階段から降りてきます。
1814年4月20日にナポレオンが「Aadieux (アデュ 永遠にさようなら) !」と言って宮殿を去ったことを記念してのイベント『 Week-end Napoleon 1er 』でした。
ナポレオンの演説もあり見応えがありました。
フォンテーヌブロー宮殿の美しさが受け継がれ見事に調和している宮殿内
ナポレオンに夢中になって宮殿内の見学時間が少ないことに少々焦り気味。
ちょっと駆け足で見学します。
宮殿内の案内図に見学した場所を書き込んでみました。
三位一体 (さんみいったい) 礼拝堂、祭壇の眺め。
礼拝堂の豪華な装飾と大理石のモザイクで覆われた床は、ルイ13世の時代に完成された。
宗教をテーマにした見ごとな天井画も必見です。
国王と王妃は階上席で毎日ミサに参加し、ルイ5世の結婚式やナポレオン3世の洗礼式などが行なわれました。
三位一体とは
キリスト教信仰においての中心にある大切な教理のこと。
神は「父なる神」「子なるキリスト」「聖霊」という三つの位格(他者に対して区別される主体)を持つ、「唯一の神」であるということです。
フランソワ1世の回廊
王の住居棟と三位一体礼拝堂とをつなぐ場所にあります。
フランソワ1世がイタリアから招いた芸術家ロッソ・フィオレンティーノによるもの。
見逃せないのが、フレスコ画とスタッコ(化粧漆喰)の装飾がとても美しい回廊の壁。
寄木の床、木工細工の天井、漆喰装飾の壁はヴェルサイユ宮殿の鏡の間のような豪華さはありませんが、落ち着いた空間で居心地がいいです。
ディアナーヌの回廊
17世紀の初め、アンリ4世妃の遊歩道の場所として70mの回廊がつくられました。
その後、19世紀の初めには廃墟となっていた回廊を、ナポレオン3世が王政復古後に1万6千冊を所蔵する図書室に改装しました。
ナポレオンが作らせた地球儀の存在感がすごいです。
王座の間
歴代の王の寝室だった場所をナポレオン1世が王座の間に改修しました。
肘掛け椅子の両側にはナポレオンの頭文字『 N 』が見えます。
フォンテーヌブロー宮殿の見学を終えて
フォンテーヌブロー宮殿を訪れたのは日曜日午後2時頃。
昼食後の観光にはちょうど良い時間で観光客が多かったです。
宮殿内の装飾は豪華さの中に品があり素敵。
フランスの色彩美の奥深さに魅了されました。
装飾には『 F 』『 H 』『 N 』といったイニシャルが施され、その場所や建物に関わった人を表しています。
- 『 F 』・・・フランソワ1世
- 『 H 』・・・アンリ2世
- 『 N 』・・・ナポレオン
見学しながらイニシャルを見つけるのも楽しみ方のひとつです。
宮殿内の見学時間は、ちょっと駆け足な感じで1時間くらい。
オーディオガイドを借りてじっくり見学すると2時間くらいあるとよいと思います。
庭園も含めると3~4時間あれば楽しめます。
見学が終わると絵葉書、書籍や関連グッズを販売している店があります。
そこには食べるものは売っていませんので、小腹が空いた時のために飲み物と手軽に食べられるおやつを持参するとよいでしょう。
宮殿敷地内にカフェ (「Tea Room Orangerie」)があるので、時間があればここで休憩して、庭園を眺めるのもおススメです。
800年の間、フランスの歴代の君主が愛したフォンテーヌブロー宮殿は、上品で洗礼された落ち着きがあります。
「パリから少し足を延ばしたいなぁ」と思ったら、是非、訪れてみてください。
もう一度訪れ、宮殿内をゆっくり見学し、庭をのんびり散策してみたいと思っています。