日本とパリの往復航空券の運賃は、時期によりますが10万円前後~20万円前後と安い買い物ではありません。
購入後に「えっ!そうだったの?こっちの方が私向きだった。」とならないようにしたいですよね。
今回はパリ行きの航空券を購入する前に知っておきたい事柄と選ぶ時の注意点をお伝えします。
目次
航空券についてこれだけは知っておきたい事
航空券を購入する前に知っておくと、より自分に合った航空券を見つけることができます。
航空券は大きく分けて「正規航空券(ノーマル航空券)」「ペックス(PEX) 航空券」「格安航空券」の3種類
航空券の種類によって、有効時期、変更、キャンセルなどの可否、座席指定ができるかできないか等、その内容に大きな違いがあります。
正規航空券(ノーマル航空券)
IATA(国際航空運送協会)が決めている、正規運賃の航空券で、最も高額な航空券。
往復別々の航空会社を選択することもできます。
有効期限は1年間で、航空会社、予約便や経路の変更が無料ででき、キャンセル時の払い戻しも可能で、1年を通して一定価格です。
ペックス(PEX) 航空券
航空各社が個人向けに独自のルールで運賃を設定している正規割引運賃の航空券。
予約期間、発券期限、変更可否、取消手数料、マイル加算率などについては航空各社で細かな条件が定められています。
格安航空券
旅行代理店がパッケージツアー用にまとめて安く航空会社から購入している航空券を、個人向けにバラして販売している航空券。
そのため、旅行代理店のみでの購入となり、価格、条件、制約などは旅行代理店によって大きく違います。
直行便と乗継便
日本からパリへは直行便と乗継便があります。
直行便
出発地から到着地まで直接向かいます。
日本からパリへの直行便は以下の6便です。
- ANA(全日空) 羽田空港発着 1便
- JAL(日本航空) 羽田空港発着 1便
- AIRFRANCE(エールフランス) 成田空港 1便、羽田空港 2便、関西国際空港発着 1便
乗継便
出発地から到着地へ向かうあいだで別の便に乗り継ぎます。
日本からパリへの乗継便は、アジア、ヨーロッパ、中東の国での乗継で約20の航空会社があります。
直行便と乗継便の大きな違いは、所要時間、運賃です。
例えば、東京(成田空港、羽田空港) ↔ パリ(シャルル・ド・ゴール空港) で比べてみると
直行便 | 乗継便 | |
所要時間 | 約12時間 | アジア、ヨーロッパ乗継便は約15時間(最低) |
中東乗継便は約20時間(最低) | ||
運賃 | 約15~16万円 | アジア乗継便は約10~13万円 |
ヨーロッパ乗継便は約13~15万円 | ||
中東乗継便は約15万円 |
※運賃は時期によって大きく違います。
乗継便では日本語が通じる?
日本発着の便には、機内に簡単な日本語が話せる客室乗務員がいる場合があると思いますが、乗継地とパリのあいだの便には、まず日本語が出来る客室乗務員はいないでしょう。
乗客も日本人は自分だけなんてことはよくあります。
私は一度、ドイツのフランクフルト空港乗継でパリへ行きました。
成田空港からフランクフルト空港までの便には日本人の客室乗務員がいましたが、フランクフルト空港からパリのシャルル・ド・ゴール空港までの便にはもちろんいませんでした。
今まで乗り継ぎの経験がある人、フランス語または英語で意思疎通ができる人、チャレンジしてみたい人には向いていますが、初めての人にはあまりおススメはしません。
航空券購入時に支払う総額の内訳
航空券を購入する時は、運賃と税金や諸経費を合わせた総額を支払います。
航空各社、旅行代理店や航空券検索のWEBサイトなどで表示されている金額は、運賃のみの場合がありまので注意してください。
運賃以外には以下の費用があります。
空港施設利用料
空港ターミナルビルを使用する旅客に対して課される料金で、国際線では出発客と乗継客が対象になります。
航空券に課せられる税金
国際観光旅客税と国際連帯税があります。
- 国際観光旅客税・・・観光先進国実現に向けた観光基盤の拡充・強化を図るための恒久的な財源を確保するための税金。
- 国際連帯税・・・気候変動や貧困、疫病などの地球規模の問題への対策資金をつくりだすための税金。国境を越えての経済活動に対して課税され、その税収は途上国向けの開発支援などに活用することを目的としている。
航空保険料
2001年9月の米国同時多発テロの影響により、航空会社が加入している航空保険料の引き上げにともない、その一部を旅客が負担する保険料。
旅客に対する補償はありません。
燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)
以前、飛行機の燃料代は運賃に含まれていました。
1991年に始まった湾岸戦争以降、飛行機の燃料である石油価格が高騰し、航空会社ですべてを賄うことが難しくなり、運賃とは別に燃油特別付加運賃が設定されました。
金額は、原油価格によって変動します。
航空券を選ぶ時の注意点
航空券の条件によって、旅行全体に影響してくることがあります。
自分にとって「ここは外せない!」ところを明確にして選んでみてください。
飛行機の便によってパリでの滞在時間が違う
日本の空港からパリのシャルル・ド・ゴール空港の間を運航している飛行機の発着時間には幅があり、どの便を利用するかによって、パリでの滞在時間が違ってきます。
観光、食事、買い物や空港へ行く時間などのパリでの予定を決めるのに、飛行機の発着時間とパリでの滞在時間がとても大事になってきます。
『4泊6日』を例にして、日本からパリへ直行便が運航している成田空港、羽田空港、関西国際空港で比較してみました。
乗継便はアジア圏、ヨーロッパ圏、中東圏では「こんな感じなんだ」と思ってもらえればと思います。
時間帯は例として挙げています。
韓国での乗り継ぎは日本発と大きくは変わらないので、アジア圏の例にはしませんでした。
薄ピンク色の部分がパリ滞在時間です。
成田空港 ↔ パリ シャルル・ド・ゴール空港
羽田空港 ↔ パリ シャルル・ド・ゴール空港
関西国際空港 ↔ パリ シャルル・ド・ゴール空港
『4泊6日』と一言で言っても、飛行機の発着時間によって、パリでの滞在時間がずいぶんと違ってきますね。
日本を出国する日と帰国する日
忘れがちなのが、日本をどの時間帯に出国するか、日本にどの時間帯に帰国するかです。
それによって、出発前の準備、帰国後の帰宅方法、場合によっては出社するなど旅行前後の日本での行動が変わってきますから、自分にとって大事なことがあれば、それも考慮して飛行機の便を決めましょう。
乗継便は乗り継ぎ時間に余裕を持って
乗継便を選ぶ時に気をつけたいのが『乗り継ぎ時間』です。
急なトラブルや天候の影響で、乗り継ぐ空港への到着が遅れることがあります。
乗り継ぎ時間が2~3時間くらいの余裕がある便を選ぶことをおススメします。
パリから日本に帰る便を乗継便にした時の経験談
この時は、帰国日は職場の始業時間に間に合うように空港から仕事場へ行くため、6時35分羽田着の航空券を購入しました。
エールフランスにはそれまでに2回乗り、良い印象が無かったのですが、東京到着時間が朝なのがこの乗り継ぎ方だったので、これに決めました。
お約束通り(笑)、パリからフランクフルトへの
エールフランス便の出発が30分遅れました。
焦りました!
乗り継ぎ時間が15分になってしまったのです!
私がANA(全日空)に乗り継ぐことはエールフランスの客室乗務員に連絡は入っていたようで、フランクフルトに到着すると声を掛けられ、1番最初に機内から出してもらい、待ち受けていた係員に連れられバスに乗り、ANAの搭乗口に一番近い入り口で降り、そこで待っていたANAの地上業務の方と搭乗口へ向かってダーッシュ!
なんとか、私だけ東京行きの便に間に合いました。
そうです、預けたスーツケースは次の便で帰国となりました。。。
スーツケースは東京に到着後、宅配便で配送 (送料はANA負担) してくれました。
なんだか、心身ともに疲れてしまい、東京に到着後は自宅へ帰り、午後からの出社となりました。
予約クラスで運賃や条件が違う
飛行機の座席のクラスには、「エコノミークラス」「ビジネスクラス」「ファーストクラス」があり、各クラスの中でもいくつかに分かれていて、それを『予約クラス』と言います。
同じエコノミークラスでも、予約クラスによって運賃や条件が違ってきます。
ANA(全日空)を例にして見ていきたいと思います。
予約クラスはアルファベットで表記されている
東京↔パリをエコノミークラスで検索するとこのようなページが表示されます。
赤い四角で囲った中に「事前座席指定・予約クラス」とあり、
その下に「可 シートマップ/Sクラス」とあります。
なので、
東京→パリ(片道) 80,170円は予約クラスがSクラスの航空券ということになります。
次に、エコノミークラスの188,670円を選んでみます。
赤い四角で囲った中の「事前座席指定・予約クラス」の下は「可 シートマップ/Uクラス」とあります。
なので、
東京→パリ(片道) 188,670円は予約クラスがUクラスの航空券ということになります。
予約クラスの等級が高い航空券は運賃が高く、等級が低い航空券は運賃が安くなります。
ANAの予約クラスを挙げてみます。
座席クラス | 予約クラス (高 → 低) | 運賃 |
ファーストクラス | F、A | 高い |
ビジネスクラス | J、C、D、Z、P | |
プレミアムエコノミークラス | G、E、N | |
エコノミークラス | Y、B、M、U、H、Q、V、W、S、T、L、K | 安い |
予約クラスによる違いはどんなことがあるのか
いくつか例を挙げてみます。
① マイルの加算率
30%~150%
マイル対象外の場合もあるので、旅行代理店から購入する場合は確認しましょう。
② 予約の変更やキャンセルの可否
予約クラスの低い順に、不可、可(要手数料)、無料となります。
予約の変更やキャンセルの可能性がある場合は、少し運賃が高くても可(要手数料)のクラスを購入しておくことが後になって大きな出費にならないこともあります。
③ オーバーブッキング(過剰予約)やキャンセル待ちの時の優先順位
航空会社がキャンセルを見込んで過剰に予約を受けたけど、キャンセルが出なかった時は、予約客があふれてしまいます。この時、航空会社は座席の調整をしますが、クラスが低い人にはその便の座席が確保されない可能性が高くなります。
まとめ
パリ行きの航空券を購入する前に知っておきたい事柄と選ぶ時の注意点をお伝えしましたが、いかがだったでしょうか。
航空券を購入する時、ついつい価格に心惹かれてしまいがちですが、
購入前に「この航空券はどんなことが可能なんだろう」とちょっと意識することで、自分に合って、価格に見合った航空券を購入することができると思います。
Bon voyage
良い旅を