冬頃にパリへ旅行する時に知っておきたい、天候、服装、休日、イベントなどの情報をまとめてみました。
今回は12月21日から3月20日までの情報をお伝えします。
この期間はフランスでの暦(こよみ)の冬を言います。
•春 3月21日から6月20日まで
•夏 6月21日から9月20日まで
•秋 9月21日から12月20日まで
•冬 12月21日から3月20日まで
お伝えする項目は次の5つです。
- パリの冬の天候と服装
- フランスの冬の祝日、休暇
- フランス、パリの冬のイベントとおでかけ
- フランス、パリの冬の旬の食材
- フランスに冬に滞在するときの注意点
旅行計画の参考にしてみて下さい。
目次
パリの冬の天候と服装
天候、服装を考える時、緯度からみてみると、どんな準備をすればよいのかのヒントになります。
日本の都市と欧州~北アフリカの都市を比較してみました。
パリが稚内よりも緯度が高いのに温暖な気候に恵まれているのは、フランスの西側の大西洋に暖流の北大西洋海流が流れ、一年を通して西から吹く偏西風が暖流の上の暖かい空気を運ぶからです。
日本のどこに住んでいるか、寒さ暑さに強いか弱いかによって、どのくらいで寒い、暖かいが違ってくると思います。
1月、2月
天候
晴れの日が少なく、ほぼ毎日が曇り空。
午前中に薄い霧が発生することもあり、エッフェル塔の上方が霧で覆われて見えにくくなる時があります。
朝、路面が凍っていることがあるので、足元には気をつけて。
12月からグッと下がる気温は、平均最高気温が6度、平均最低気温が2度ほど。
0度以下になる日もあり、寒さが厳しいです。
日照時間も9時間くらいで、朝8時頃でも外はまだ暗く、夕方5時頃には薄暗くなってきます。
服装
防寒性が高いダウンコートは必需品。
外は寒く建物の中は暖房で暖かいので、コートの下は厚着にならない服装で調整しましょう。
足元からジンジンと冷えてくるので、歩きやすく防寒がしっかりしたブーツは欠かせません。
寒さで路面が凍っていることがあるので、靴裏は滑り止めが付いたものが安心です。
厚手の靴下やパンツの下にレッグウォーマーなどを着用するのも効果的。
首元や頭も厚めのマフラー、ストールや帽子でしっかり防寒するのを忘れずに。
3月
天候
3月になると日照時間が少しずつ長くなり、寒さも緩んできますが、まだまだ冬の寒さが続きます。
最高気温が10度を上回り晴れる日が多くなって、街歩きもしやすくなりますが、朝晩は冷え込み、日中の外気は冷たく感じます。
天候が安定せず雨が降ることも多いので、雨対策も忘れずに。
服装
3月中旬頃までは、真冬なみの寒さの日もあるので、厚手のコート、セーターやタイツなどは必需品。
気温の低い朝晩は、手袋、マフラー、ストールや帽子などの小物類で調整しましょう。
フランスの天気予報
天気は行ってみないと正直わかりませんが、出発前に天気予報をチェックしたいですよね。
フランスの天気予報は日本と比べると当たらない...ことが多いのですが、パリでの過ごし方、服装や持ち物選び参考にはなります。
Météo Paris (フランス語)
天気のアイコンと数値の表記がわかりやすい
Météo Parisの使い方(スマホ、PC)についてはこちらでご紹介しています。
Yahoo Weather (英語)
フランス語より英語のほうがいい時はこちら
フランスの冬の祝日、休暇
パリに限らずフランスへ旅行する時に外せない事に「休暇」があります。
これを知っているのと知らないのとでは現地での過ごし方に違いが出てきます。
例えば、行こうと思っていた場所がやっていなかったり、思っていた以上に混雑していて予定変更せざるをえなかったり...
この休暇の情報を上手に取り入れて旅行の計画をしましょう。
12月下旬~1月上旬
学校の休み
フランスには2週間ほどの学校の休みが年に4回あります。
「えっ?また2週間の休みなの?」と言ってしまうくらい。
ヴァカンス大国フランスです。
住んでいる地域によって期間が違う休みもあり、フランス全土をA、B、Cの3つのゾーンに分け期間をずらして休むようになっています。
パリはゾーンCです。
冬には期間がフランス全土共通のクリスマスの休み(Vacances de Noël )があります。
期間は12月下旬~1月上旬の間で日程は毎年変わります。
会社や店が休みになるわけではありませんが、学校の休みに合わせて家族が休暇にすることが多いので、観光地やイベント会場が混雑することが考えられます。
旅の計画をする時に期間がいつなのかを知っておくといいです。
フランス文部省のサイトにカレンダー(Le calendrier scolaire)があり、ここで確認出来ます。
12月
12月25日 クリスマス(Noël ノエル)
イエス・キリストの降誕を祝うキリスト教の祝日。
この日はフランスでは、1年で最も大切な日。
24日の夜から家族が集まり、25日の明け方までの長~い食事会で楽しいひと時を過ごします。
25日は午後になって、家族で散歩に出かけるくらいで、家で過ごすことの方が多いので、いつもより静かなパリの街中。
12月24日の午後くらいから、レストラン、スーパーなど店が閉まり、25日はほとんどの店、美術館や観光施設が閉店しているので要注意!
1月
1月1日 元旦(Jour de l’an ジュー ドゥ ラン)
フランスでは、大晦日から元旦の朝まで友達と飲んで騒いで年越しするの、元旦は家でまったり過ごす人が多いようです。
クリスマス休暇の締めが新しい年がやってくるイベントの大晦日、その後が1月1日。
新年のカウントダウンが、テレビ各局で時間差があるのも適当大国フランスらしい。(笑)
2月
フランスの2月は祝日、休暇はありません。
2月中旬~3月上旬
学校の休み
フランスには2週間ほどの学校の休みが年に4回あります。
「えっ?また2週間の休みなの?」と言ってしまうくらい。
ヴァカンス大国フランスです。
住んでいる地域によって期間が違う休みもあり、フランス全土をA、B、Cの3つのゾーンに分け期間をずらして休むようになっています。
パリはゾーンCです。
冬には期間がゾーンによって違う、冬休みがあります。
期間は2月中旬~3月上旬の間で日程は毎年変わります。
会社や店が休みになるわけではありませんが、学校の休みに合わせて家族が休暇にすることが多いので、観光地やイベント会場が混雑することが考えられます。
旅の計画をする時に期間がいつなのかを知っておくといいです。
フランス文部省のサイトにカレンダー(Le calendrier scolaire)があり、ここで確認出来ます。
3月
フランスの3月は祝日、休暇はありません。
フランス、パリの冬のイベントとおでかけ
イベント
パリ、フランスならではのイベントを旅程に組み込みと旅楽しみ方の幅が広がります。
公現祭(Épiphanie)
1月6日または1月2日から8日の間の主日(日曜日)に、すべてのキリスト教会で行われる祝祭で、キリストの降誕により神の霊の美しさがキリストを通してすべての人に現れたことを祝う日。
フランスではガレット・デ・ロワ (galette des rois) と呼ばれるお菓子 (アーモンドクリームが入ったパイ) を食べる風習があります。
パイの中にフェーヴ (fève:ソラマメの意味) と呼ばれる陶製の小さな人形が1つ入っていて、フェーヴが当たった人は王冠を被って祝福を受け、幸運が1年間続くと言われています。
冬のソルド(セール)(solde d’hiver)
年に2回あるセールの1つ。
冬のソルドが1月上旬から始まります。
ソルドの期間やお得に買い物するポイントをご紹介しています。
聖燭祭(Chandeleur)
2月2日、イエスが降誕40日後に両親に連れられてエルサレムの神殿で神に捧げられた日を祝う日。
フランスではクレープ(crêpe)を食べるという風習があります。
冬の種蒔きが始まるこの時期、形が丸く黄金色のクレープは長い冬が終わり、春の訪れを象徴する太陽を思い出させるからです。
バレンタインデー(Saint-Valentin)
2月14日、フランスでは「カップルのための祭日」で、パートナーがいない人には重要ではありません。
男性が女性に何かを贈り、祝います。
商業イベントと考えている人が多く、パートナーがいても祝わない傾向にあります。
愛は日常的に表現するもの...
フランスっぽいですね。
マルディ・グラ(Mardi Gras)
2月2日の聖燭祭の後にあり、毎年、復活祭の日にちによって変わるキリスト教の祭り。
復活祭の日にちを基点に47日前と決まっています。
フランスでは定番のクレープ(crêpe)やビューニュ(Bugne)、ベニエ(Beignet)といった揚げ菓子を食べるという風習があります。
国際農業見本市(Salon International de l’Agriculture)
2月下旬~3月上旬に農業大国フランスが、国を挙げて開催する農業国際見本市。
国の内外から集まった家畜やチーズ、ヨーグルト、バター、ワイン、などの加工食品の品評会があり、毎年、大統領や政治家も足を運ぶ、大イベントです。
農業関係者のための見本市ですが、一般の人も入場券を買えば会場に入ることができます。
会場内はあちらでもこちらでも試食、試飲の嵐。
レストラン、屋台もあるので、食いしん坊なら行ってみたい見本市です。
買い物はクレジットカードが使えないこともあるので、現金の用意を忘れずに。
会場は15区にある「ポルト・ドゥ・ヴェルサイユ見本市会場」
2020年の開催期間は2月22日(土)~3月1日(日)です。
パリ・ハーフマラソン(Semi Marathon de Paris)
3月に開催され、パリ12区のヴァンセンヌの森からスタートして、パリの中心で折り返しヴァンセンヌの森に戻る約21Kmの距離を走ります。
2020年の開催期間は3月1日(日)です。
ビオ見本市 ヴィーヴル・オートルマン(Salon Bio Vivre Autrement)
3月にパリ12区のヴァンセンヌの森の一画にあるパリ花公園で毎年行われる、ビオ(オーガニック)見本市。
野菜、果物や農畜産物といった食材や食品、衣類、化粧品、アロマの精油などがフランス全土から集まります。
会場内では試食、試飲ができ、ベジタリアン料理レストランもあります。
イベント会場までの道にもすべてビオの食材を使って調理している屋台が並んでいます。
イベントの日が近づいてくると、パリ市内のスーパーで入場無料券付きのチラシが置かれるのでそれを入手しましょう。
2020年の開催期間は3月20日(金)~3月23日(月)です。
おでかけ
冬にパリへ旅行するならおススメしたいのは、天気の良い日があれば、アツアツの焼き栗を買って公園で日向ぼっこ。
街のあちこちで焼き栗の屋台を見かけます。
私は初めてパリに旅行した時、寒空の下、アツアツの焼き栗を食べて同行の友人と感激しました。
その時の記事はこちら
参考記事
パリ 女の旅行記 2003年2月 ~初めてのパリ~ 〈6 3日目(日) ノートルダム大聖堂とルーヴル美術館へ行く〉
寒さ対策をして冬のパリを楽しみましょう。
12月25日に開館している施設
ほとんどの美術館や施設が休館しますが、開館しているところもあります。
ノートルダム大聖堂 ( Cathédrale Notre-Dame de Paris )
※2019年4月15日夜(現地時間)に大規模な火災が発生し、大聖堂の中央部分が崩れ落ち、正面の塔にも被害が及びました。
ポンピドーセンター ( Centre Pompidou )
※25日が火曜の場合は休み
ムンドランガ美術館 ( Musée Mundolingua )
エッフェル塔 ( La Tour Eiffel )
ジャックマール・アンドレ美術館 ( Musée Jacquemart-André )
グレヴァン蝋人形館 ( Grévin )
パリ動物園 ( Grévin )
※25日が火曜の場合は休み
映画博物館 ( Cinémathèque Française )
※25日が火曜の場合は休み
モンパルナスタワー ( Tour Montparnasse 56 )
アクリマタシオン庭園 ( Jardin d’Acclimatation )
サクレクール寺院 ( Basilique du Sacré-Cœur )
モンマルトル美術館 ( Musée de Montmartre )
ダリ美術館 ( Espace Dali )
12月〜1月年始にかけて クリスマスマーケット
年明けまで開催されているクリスマスマーケットもあり、年末年始にパリにいるならクリスマス気分を味わえます。
シナモンとモミの香りに包まれながら、マーケットでの散歩やクリスマス時期ならではの買い物を楽しんでみてはいかがでしょう。
シャンゼリゼ(チュイルリー公園)
Marché de Noël des Champs-Elysées au Jardin des Tuileries
※シャンゼリゼ通りのクリスマスマーケットが場所をチュイルリー公園に移して開催。
Jardin des Tuileries ( チュイルリー公園 )
2019年11月15日(金)~2019年1月5日(木)
エッフェル塔
Marché de Noël de La Tour Eiffel
Quai Branly (ブランリ通り) セーヌ川沿い
2019年12月20日(金)~2019年1月5日(木)
レ・アルのカノペ(天蓋)(レ・アル)
Le Marché de Noël de la Canopée des Halles à Paris
Les Halles ( レ・アル )
2019年11月14日(木)~12月29日(金)
情報はこちら Le Marché de Noël de la Canopée des Halles
パリ市庁
Marché de Noël sur le Parvis de l’Hôtel de Ville
Hôtel de Ville ( オテル・ドゥ・ヴィル )
2018年12月14日~2019年1月6日
ボブール(ポンピドーセンター)
Marché de Noël à Beaubourg
Beaubourg ( ボブール )
2018年12月1日~2019年1月2日
10時~21時
ノートルダム大聖堂
Le Marché de Noël de Notre-Dame de Paris
La Galerie Joseph (ギャラリー・ジョセフ)
2019年12月13日(金)、14日(土)、15(日)
サン・ジェルマン・デ・プレ
Le Marché de Noël de Saint-Germain-des-Prés
Place Saint-Germain-des-Prés ( サン・ジェルマン・デ・プレ広場 )
2019年11月30日~2020年1月5日
情報はこちら Le Marché de Noël de Saint-Germain-des-Prés
東駅
Le Marché de Noël Alsacien à la Gare de l’Est
クリスマスマーケットで有名なアルザスの伝統的な料理や特産品が手に入ります。
日替わりで試食、試飲ができる催事が用意されています。
Gare de l’Est ( 東駅 )
2019年12月4日(水)~12月20日(金)
情報はこちら Le Marché de Noël Alsacien à la Gare de l’Est
ラ・デフォンス ( 新凱旋門 )
Le Village de Noël de La Défense
Parvis de la Défense ( パルヴィ・ドゥ・ラ・デフォンス )
2019年11月21日(木)~12月28日(土) 12月25日(火)は休み
1月1日 シャンゼリゼ通りのニューイヤー・パレード
世界数か国がマーチングバンド、チアリーディング、民族衣装を着ての踊りなどでシャンゼリゼ通りを練り歩きます。
お昼過ぎにシャンゼリゼ通りが歩行者天国になり、14時頃からパレードが開催。
1月1日に開館している施設
12月25日同様、ほとんどの美術館や施設が休館しますが、開館しているところもあります。
オランジュリー美術館 ( Musée de l’Orangerie )
※1日が火曜の場合は休み
ポンピドーセンター ( Centre Pompidou )
※1日が火曜の場合は休み
リュクサンブール美術館 ( Musée du Luxembourg )
オルセー美術館 ( Musée d’Orsay )
ジャックマール・アンドレ美術館 ( Musée Jacquemart-André )
映画博物館 ( Cinémathèque Française )
※1日が火曜の場合は休み
ダリ美術館 ( Espace Dali )
フランス、パリの冬の旬の食材
食も旅の楽しみの1つ!
レストランやビストロで旬の食材を見かけたら試してみて。
果物やチーズはホテルの部屋でも楽しめます。
持ち帰る時のエコバッグ、紙皿などを持って行くのを忘れずに。
フランス、パリに冬に滞在するときの注意点
パリで観光施設や買い物で楽しみたいなら12月24日、25日は避ける
ほとんどの観光施設、レストラン、デパート、スーパーなどが閉まります。
パリで特に予定を立てず、ホテル近くの教会へ行ったり、たまたま開いているカフェでお茶したりと、のんびり街を楽しむのなら最適な日。
そうでないなら12月24日、25日を滞在の中心にはせず、前後どちらかにずらすのをおススメします。
クリスマス休み翌日の12月26日は、主だった観光施設は混雑するので、観光、買い物、観劇などを上手く組み合わせましょう。
天候不良による交通機関への影響
パリは天候不良による影響をかなり受けます。
メトロ、RERやバスの運行本数が減ったり、CDG空港までの高速道路が閉鎖されたり、飛行機の遅延、キャンセルなど。
また、エッフェル塔が閉鎖されることもあります。
下の写真のように天候不良でエッフェル塔の上部が見えません。(涙)
滞在中に天候不良になったら、交通機関の運行状況や観光施設の営業について出かける前にチェックしましょう。
チェックしたい交通機関
パリ交通公団RATP
パリ市内・近郊の公共交通機関のMétro(地下鉄)、RER(パリ市内と郊外を結ぶ鉄道)、バス、トラムなどの情報。
トップページに情報と警告(フランス語のみ)が掲載されます。
フランス国鉄SNCF
パリから地方都市へ移動する際に利用するTGVやTERなど情報。
Menu の中の Itinéraires & réservation の中の Informations trafic に掲載されます。
パリへ冬に旅行して思ったこと
冬にパリへ旅行したのは、1月下旬~2月上旬。
出かける気にはならないくらい寒く、空の色もどんよりとした鉛色の日々が続きます。
マイナスなイメージですが、それがパリ街並みとしっくりくる。
私には心地よかったです。
冬のパリへ旅行する時は、あちらこちら見て回るのではなく、数ヶ所でゆっくり時間をかけて過ごすのが良いと思います。
ちょっと贅沢な気はしますが。
他の季節の情報もまとめてありますので、よかったらご覧ください。